第8回 高校生直木賞受賞の「雲を紡ぐ」に素敵な盾と花束をいただきました!

 こんにちは、暑い日が続くと思ったら、今度は一転して豪雨。いかがお過ごしでいらっしゃいますか。いつも心地よく、お健やかでありますことを願っております。

  

 さて、先日の8月14日、高校生直木賞の選考をしてくださった高校生の方々とのイベントが開催されました。東京の会場と全国をリモート中継で結んだ催しで、会場の出席者はPCR検査をはじめ、感染防止対策を実施した上での開催です。

 この高校生直木賞は第8回目。今回は32校の生徒の皆様が参加されました。受賞後に選考経過の動画を拝見したのですが、まことに白熱した議論が行われていて、胸が熱くなりました。これほどまでに深く作品を読み、考察をしていただいたことに感謝の思いでいっぱいです。恥ずかしながらわたくし、討論の動画を見ながら「雲を紡ぐ」へ寄せてくださったお言葉に落涙してしまいました。

高校生直木賞公式サイト

高校生直木賞とは全国の高校生たちが集まって議論を戦わせ、直近一年間の直木賞の候補作から「今年の1作」を選ぶ試みです!

 

 そこでこのイベントには高校生の方々と、賞の運営の方々に感謝をこめ、髪を上げ、礼装をととのえて出席することにしました。夏に着物を着るのはいささか緊張したのですが、あの長い討論の時間を過ごした方々に、最大限の敬意を表したく思ったしだいです。

 その日は同時受賞の「オルタネート」の著者、加藤シゲアキ先生と一緒の登壇でした。加藤先生はとても涼やかな声をした方でした。アーティスト活動に加えて、すぐれた小説も書けるとは、なんて凄いことでしょうか。存在そのものが美しく、まぶしかったです。

 イベントの最後にはサプライズで大きな花束と、素敵な盾をいただき、さらに感激しました。心よりお礼を申し上げます。

 

 さて、お盆が過ぎると、夏も後半に入ります。夏の終わりと実りの秋の始まりは、季節のうつろいのなかで、もっとも色鮮やかなとき。

 私たちが使う言葉には言霊が宿ると古来から言われています。佳い言葉には佳い方向へ進んでいく力があるというのです。

 

 このたびご参加の高校生の方々と、この文をご覧になっている皆様が、美しい季節を過ごされ、晴れやかな未来へ進まれますことを心より願っております。

 

 それではまたおたよりします。

 皆様、どうぞお身体をいたわってお過ごしくださいね。

伊吹有喜

伊吹有喜『雲を紡ぐ』

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