「雲を紡ぐ」をお取り上げいただきました!

 こんにちは、伊吹です。本日は続けまして『雲を紡ぐ』についてのお話を。

 先立ちまして二宮からご報告しましたが、2月1日、TBS系で九時三十分から放送の「王様のブランチ」様にて、『雲を紡ぐ』のインタビューが放映されます。

 嬉しいです!! ぜひご覧ください。

 

  そして、ただいま文藝春秋BOOKS様にて、ご紹介にあずかっております。

■文藝春秋BOOKS
【インタビュー】
人と人の心の糸は一度切れても、再び繋がる
――盛岡「ホームスパン」をめぐる親子三代の物語
https://books.bunshun.jp/articles/-/5272

https://books.bunshun.jp/articles/-/5272

 この記事の最初に登場する写真は舞台となった盛岡市「鉈屋町」界隈です。

 鉈屋町には風情のある格子戸や格子窓がある家が建ち並んでいます。夏に訪れたときは格子戸の前にたくさんの朝顔が花を咲かせているお宅があり、なんて美しいのだろうと足を止めてほれぼれと眺めてしまいました。

 写真のこの建物の先に物語にも登場する「大慈清水」があります。ここのお水は、とても清らかでおいしいです。

 

 二枚目に登場する写真は山崎工藝舎のショウルームのモデルにした二軒の盛岡町家のうちのひとつの「常居」です。

 盛岡町家の常居は高い天井と吹き抜けがたいそう素敵なのです。私が特に好きなのは常居の天井にある天窓から差し込む光と階段です。

 連載の準備取材中にこの町家を見学したとき、「雲を紡ぐ」の81ページに登場する、階段に座る太一と、その下で話し合っている美緒、祖父、裕子のシーンが浮かんでワクワクしたのを思い出します。

 

 三枚目に登場する写真は、取材させていただいたホームスパンの工房、蟻川工房様の赤いショールと、中村工房様のマフラー、そしてメイさんのモデルにした羊ちゃんです。

 蟻川工房の赤いショールは見ているだけで、元気が出てくる美しい赤色。身にまとうとふわりと軽く、暖かいショールです。

 

 中村工房のマフラーは、染めていない羊の毛で織られた布です。本書、63ページで祖父、紘治郎がこしらえるといった原毛の色の「旗」はこのイメージです。

 

 そしてこの羊ちゃん。私、186ページの「メイさん、メイさーん!」の箇所がとても好きなのですが、そのモデルとなったこの羊ちゃんは 中村工房に初めて取材にうかがったときに、我が家に二匹来ました。それ以来、原稿を書くかたわら、考えごとをするたびに手にしては癒やされてきました。

 極上の羊毛が持つ やわらかさ、軽さ、やさしさ。

 作中にもありますが「生きている動物からわけてもらった」ふんわりとした羊毛は、布になってもマスコットになっても 触れているだけでまことに心が安らぎます。

 

 そして四枚目の蟻川工房内の美しい糸。明るい室内に美しい色の糸がたくさん並ぶ様子は訪れるたびに心が躍りました。見ているだけで力が湧いてくるのです。本作の取材を通して、手仕事の布の魅力とともに、美しい色が持つ力にもたいそう魅せられました。

 書きながら私も、自分の色はなんだろうと考えました。

 皆様は「自分の色」にどんな色を選ばれるでしょうか?

 

 さて いちはやく「雲を紡ぐ」をお手に取ってくださった書店の皆様からたくさんのお言葉をいただきました。とても嬉しくて何度も見てしまいます。ありがとうございます!!

■文藝春秋BOOKS
https://books.bunshun.jp/articles/-/5282

https://books.bunshun.jp/articles/-/5282

 

■WEB 本の雑誌
http://www.webdoku.jp/cafe/hisada/20200130074827.html

http://www.webdoku.jp/cafe/hisada/20200130074827.html

 

 それではまた、おたよりします。あたたかくして、お過ごしくださいね。

伊吹有喜

伊吹有喜『雲を紡ぐ』

伊吹有喜『雲を紡ぐ』 「分かり合えない母と娘」 壊れかけた家族は、もう一度、一つになれるか? 羊毛を手仕事で染め、紡ぎ、織りあげられた「時を越える布・ホームスパン」をめぐる親子三代の「心の糸」の物語。 いじめが原因で学校 […]