新年のごあいさつ

 あけましておめでとうございます。

 皆様、いかがお過ごしでいらっしゃいますか? お健やかでありますようにと願っております。

 初春という言葉はまことに心浮き立ちます。ただ気温は低く、これからまだまだ冷え込む模様……。

 冷えると身体が固まるのでしょうか。私のほうは昨年、道で転び、足の甲を骨折してただいま静養中です。ひどい捻挫と思って病院に行ったら、あっという間に足にギプスがついて松葉杖を渡され、たいそう驚きました。

 最近は松葉杖にも少し慣れてきましたが、なかなかせつないものがあります。中高年の皆様、冬の道には本当にご注意です!

 かような状況ですが、あとは快復を目指すのみ。2017年は明るい年になると思います。

 さて、今年は単行本で「カンパニー」(新潮社)、「天の花 地の星 なでし子物語」(ポプラ社)。そして「彼方の友へ」(実業之日本社)が刊行されます。

 文庫では「BAR追分」三巻(角川春樹事務所)が刊行予定です。

 製薬会社からバレエ団に出向した男を描いた「カンパニー」

「なでし子物語」の耀子の十八歳、二十八歳の姿を描く「天の花 地の星」。

 そして戦時下の少女雑誌の編集部を舞台にした「彼方の友へ」

 文庫の「BAR追分」は夏の一巻、秋の二巻に続き、三巻は晩秋から冬。文字通りのシーズン3を迎え、舞台もねこみち横丁からさらに広く、新宿のリアルな街なかへと広がっています。

 連載では、岩手県の美しい手仕事をめぐる物語「ホームスパン」(別冊文藝春秋)の舞台が盛岡の市内に移っています。おじいちゃんのショウルームがあるという設定の町は、美しい清水が湧き、岩手山がのぞめる場所。歴史ある城下町のもとで、主人公の美緒が自分を見つけていく姿を描いていきたいと励んでいます。

 どの作品も心楽しいものがお手元に届けられたらと願い、進めています。お気にかけていただけたら、とてもうれしいです。

 それでは末筆ながら、皆様の2017年が美しく、すばらしい年でありますことを、心よりお祈りしております。

 本年もどうぞよろしくお願い申し上げます。

 

伊吹有喜